Prologue
始まりはいつでも奇跡、突然、偶然と様々な状況から始まる。
彼の家は孤児院。この物語の中心を歩く彼も孤児だ。
しかし、その彼は異常だった。
生まれながら出来過ぎた知識。そして、出来過ぎた身体能力。
そして………。
通常の種族ではある筈のない黒い翼
彼の孤児院は決して裕福とも言えなかったが貧乏と言う訳でもない。
彼らはそんな中でも幸せに暮らしていた。
そこに集まっているのは身寄りのない子供と孤児院を勤める家族だけだ。
だが、その孤児院は心無いものによって襲撃された。
そして、生き残ったのは翼を持った6歳の少年と孤児院を勤める家族の4歳の娘。
少年にとっては血のつながりは無くとも妹のような存在だ。
孤児院を勤める父親は少年に全てを託して言った。
「あの子を守ってやってくれ。」
だが、その言葉も儚く、生き別れることになってしまう。
少年は荒野を生き、少女は草原を生きる。
その言葉が少年を戒めた。そして、その言葉が少年の生きる糧だった。
失われた地球『ファルアース』にて物語は始まる。
幾年も経た今、少年は男性になり、世界に名を轟かせる傭兵になった。
しかし、家族の愛を知ることは無い。
幾年も経た今、少女は女性になり、救われない者を救う御使になった。
しかし、孤独を知ることは無い。
舞台はファルアースの遺跡が乱立する都市、カリウスで幕を上げる。
そこには戦乱を起こそうとする者。
ただ、仇を討つだけに生きるもの。
ただ、身分だけで差別するもの。
あらゆる思いが交錯し、信念を持つ男性に貫かれる。
幾星霜を経た今、戦いが連鎖する。